描かれた絵だけを見ていたら
とても日本人が描いたとは思えない、と感じるのは
私だけでしょうか。
日本人なのに日本人ではなく
フランスに帰化してはいますが
フランス人でもない。
でも日本人として世界に生きたいと願った人。
絵自体は曖昧ではないのに
なぜか存在に曖昧さを感じます。
挿絵本を中心とした展示となっていますが
まず会場に入ってすぐに驚いたのは
友人、澤鋻治に送った絵葉書と
妻、とみに宛てた絵手紙でした。
一切、手抜きなし!といった書きっぷりなんですよね・・・。
絵も文章も。すごく筆まめな人だったんだなぁと。
特に奥さまに宛てた文章は
愛情というか、恋しい気持ちが溢れています。
そして今回のテーマの挿絵で心に残ったのは
「エロスの愉しみ」と「海龍」でした。
どちらもポストカードとして販売されていたので
迷わず買いましたよー。
「エロスの愉しみ」(右下)はちょっとユーモラスな印象で
無邪気な戯れという感じがします。
色遣いも春の訪れのような。
それに対し「海龍」(左)はすうっとした線が美しい。
勝手な想像だけど
まったく迷いなく描かれたように思えてしまう。
その中でもこのポストカードにもなっている
「ぬけられます」が良かった!
その他、書籍のタイトルで100点、
絵画などの作品が40点、書簡が40点と
なかなかのボリュームです。ゆったりじっくり見て読んでほしい展示です。
目黒区美術館
期間:2018年4月14日(土)~2018年6月10日(日)
開園時間:10時~18時 ※入館は17時半まで
休館日:月曜日
入場料:一般1,000円(ぐるっとパス提示で無料)
交通:JR 目黒駅 徒歩約10分
東横線 中目黒駅 徒歩約20分