Art Reportーアート鑑賞録ー

美術館・博物館・ギャラリーでの展示鑑賞録。

華やかでありながらノスタルジックな「ウェス・アンダーソンすぎる風景展」

ウェス・アンダーソンすぎる風景展」を見ました。
 
華やかなパルテルカラーやパキッとした描写、
シンメトリーで印象に残る構図、
どこかノスタルジックな作品の数々は
嫌いな人はあまりいないのではないでしょうか。
そして世界にはこんなにも美しい色彩や構図の景色が実際にあるんだと
それを発見するひとたちのウキウキした気持ちも伝わってくるようで
見ていて楽しくなる展示でした。

ところで、上記のような描写や構図で
ウェス・アンダーソン監督の映画に出てきそうな場所を撮影して投稿する
Instagramコミュニティ「AWA(Accidentally Wes Anderson)」があります。
※Accidentally Wes Anderson=偶然にもウェス・アンダーソン
アメリカのアマンダ・コーヴァル夫妻が旅行計画の中で
ウェス・アンダーソンの映画のような美しい場所や
建物の写真を集め始めたことをきっかけに
生まれたコミュニティだそうです。
 
本展の作品はもちろん、コミュニティ内の写真を見ていると
自分では一生かかっても行くことのできないであろう地で
世界の人々が偶然見つけた美しい景色を体感するってすごいこと。
この体験ってこれまでも散々しているはずなのに
なぜか今回とても特別な感じがしました。
それは「ウェス・アンダーソン監督の世界観」を共通言語として
撮っているのがプロの写真家ではなくAWAコミュニティの一般ユーザー、
しかもほとんどの撮影機材がスマートフォンというところから
撮る瞬発力、それを見つけた偶然を喜ぶ気持ちや面白がる気持ち、
などが素直にダイレクトに伝わってきたのかなーなんて。

シンメトリーを意識するといわゆる日の丸構図になると思いますが
日の丸構図って明確な意図がないと
写真的にダメな感じで言われることが結構多いです。
でも個人的には撮る人の見せたい被写体がハッキリとしているので
意図があろうがなかろうがわりと好き。
本展でもそういう写真が多くて自分でもあらためて身近なところから
水平・垂直、シンメトリーを意識して撮ってみよう!思ってしまいました。
(ソール・ライターのときは、それっぽく意識してみようと思ったり結構ミーハーです)
 
エリアごとにテーマが決まっていたのですが、
私はたまたまこの展示に行く前にアマプラで
アンダーソン監督の「グランド・ブダペスト・ホテル」を見ていたので
この映画をイメージしたエリアはちょっとうれしかったです。

アンダーソン監督が好きな方や写真好きな方だけでなく
ポップなアートが好きな方にもおすすめです。
ちなみにアンダーソン監督の写真作品はひとつもありません笑。
 
会場内での写真撮影がOKの展示でしたので
本記事に掲載の写真はわたしがiPhoneで撮影しました。