画家である兄のヨゼフ、文筆家の弟のカレル。
チェコのチャペック兄弟の子どもをテーマにした展示です。
実は私はこの兄弟のことは全然知らなかったのですが、
告知に使用されている「花を持つ少女」の作品が
とても印象的で可愛らしかったので
他の作品も見てみようと思い足を運びました。
↓コレですね。
本当に「花を持つ少女」しか見ていなかったので
会場に足を踏み入れてビックリ。
兄のヨゼフはキュビズムの画家なんですね。
キュビズムと言えばピカソが超有名ですが
正直「訳わからないよ!!」という感情の方が強く
キュビズムと聞いただけで
どう見ていいかわからないという
気持ちになってしまいがち。
でもヨゼフの絵は「自分も子どもの頃に
ふざけてこんな絵を描いてたなぁ」と思えてちょっと安心しました
(作家さんにすごい失礼な感じですが^^;)。
会場に掲示してあったヨゼフの言葉に
次のような内容がありました。
子どもたちはいつも遊んでいる。
満足することはいちどもないし、これからもそうだろう。
かくいう私も満たされることはないと思う。
たしかに子どもは疲れるまで同じことをして遊んでいることがありますし
やらないことはきっと嫌なことですよね。
それを思うと大人だって気に入ったこと、好きなことに対して
「満足」するなんていうことはなくて
ずっと探究することになってもおかしくない。
子ども目線っていうと、子どもの目の高さで
何かを見るということをイメージするけれど
(それも必要なことの一つではあるでしょうが)
そうではなくて、どれだけ繰り返し楽しめるか、
どれだけ思いついたことを実際にやってみることができるか、
なのかもしれません。
気になった作品のポストカードを買いましたが
どうしても印刷物になると印象が変わるので
色彩はぜひ実物を見て欲しいです。
同系色での濃淡の具合とか鮮やかさとくすんだ感じとか
すごく新鮮でした。
また、弟のカレルは「ロボット」という言葉の
生みの親だというのも驚きです。
兄と共同で戯曲を多く手掛けていて
「R.U.R.」という戯曲で初めて使われたそうです。
私的にそそられたのは、展示してあったローライの二眼レフ。
カレルはペットの犬や猫をずいぶんたくさん撮影して
作品の参考にしていたらしく、犬の写真集まで出していました。
いーなー。有名になると趣味のものも
お金になるんだなー、とチラッと心が隅っこの方で
呟いたのは内緒です。
本当に子どもの頃に戻ることはできませんが、
無心になって遊んでいたころの自分を思い起こしてみる、
自分が夢中になれる何かを考えてみる、
そんな良い機会になる展示かもしれません。
渋谷区立松濤美術館
期間:2018年4月7日(土)~2018年5月27日(日)
開園時間:10時~18時(金曜のみ午後8時まで) ※最終入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:毎週月曜日(国民の祝日又は休日に当たる場合は開館)
入場料:一般1,000円(ぐるっとパス提示で無料)
交通:JR・東急電鉄・東京メトロ 渋谷駅 徒歩15分
京王井の頭線 神泉駅 徒歩5分