写真を撮る人なら誰でも撮る時に光を意識せざるを得ません。
光の射す方向、光の当たる場所、強弱。
逆に影の落ちる方向、場所、陰影。
これらをどう扱うかで作品は全然違ったものになります。
この展示の作品は彫刻作品を撮影し、
それを石や布やガラスに焼き付けているそうです。
石に彫刻として命を吹き込まれた作品が光を纏い、撮影を介し、また石へと戻る。
元が彫刻作品のせいかとても厳かな気持ちになります。
そしてスケールの大きさに目を見張りました。
少し前に横浜美術館の「ヌード展」でロダンの「接吻」を見ましたが
なめらかな質感で、もちろん触れることはできない状況でしたが
触れた感覚はすべすべつるつるなんだろうなと
容易に想像できました。
恐らく撮影された像そのものはそういう質感なのだと思います。
でも、ここにある作品はなにかもっと人間的で
彫刻作品の作者以外の客観的な目で見た
情のようなものを感じました。
彫刻は相当の過去からひとつのところに同じポーズで佇み
たくさんの人の目に触れてきたはずです。
そして人々は憧憬や驚嘆、畏敬、様々な思いを抱いたことでしょう。
それらの思いをまるで代表するかのように
田原桂一さんはこの写真の中に込められたのかなぁ。
会場ではインタビューとともに一部作業の様子の映像も流れていて
興味深くもありましたが
これは並みの体力ではできない作業だな、と。
正直、田原桂一さんを私は知らなかったのですが
もっと他の作品も見てみたくなりました。
明日までなので、銀座に出かける用事のある方は
ぜひ立ち寄ってみて下さい!
ちなみに作品の撮影はOKでした。
POLA MUSEUM ANNEX
期間:2018年6月1日(金)~6月10日(日) 入場無料
時間:11:00-20:00(入場は閉館の30分前まで) 会期中無休
交通:東京メトロ銀座線・丸の内線・日比谷線 銀座駅 A9番出口徒歩6分
東京メトロ有楽町線 銀座一丁目駅 7番出口すぐ
JR有楽町駅 京橋口改札徒歩5分